監督インタビュー・アーカイブ
「おまえが嫌いだ」加納周典監督インタビュー
会員の皆様からの熱烈なご要望で実現した、
撮影当時の監督のインタビューを掲載する【監督インタビュー・アーカイブ】。
3月から大好評配信中の『おまえが嫌いだ』を担当された、
”加納周典監督”編をお届けします!
脚本も担当した加納監督のこだわりや、主演の松田賢二さんのお話まで、
作品に対する熱い想いを伺うことが出来ました!
松田賢二ファンも必読の、貴重なインタビューです!!
前作の「STRAY SHEEP」と違い、本作品はラブストーリーですが、
ラブストーリーということで、どのような点に重点を置いて作られましたか?
ラブストーリーを創るのは初めてで、本を読んだ時点では多くの人が今までのようにバイオレンスだと思われたようですね。重点というか、僕は男なので女性が喜ぶラブストーリーなどはくすぐったいし、恥ずかしいから書けません。だからラブストーリーと言っても、完全に“男の目線の男の為のラブストーリー”を創りたかったのです。とはいえ、男でも人によって恋愛感などは違いますから、一概に男の為とも言えませんが(笑)、今作は基本的に僕の恋愛感であり、人との接し方を表現したいと思いました。そこで綺麗事ではない、醜いブサイクなまでの恋愛、人間を表現する事を一番大切にしました。・・・その方が人間っぽいでしょ?カッコウつけてクールな男なんて・・・面白くないし、つまんない。・・・カッコイイかもしれないけど。
脚本も監督が担当されていますが、ストーリーを思いつかれた
きっかけのようなものがあれば、教えてください。
ラブストーリーは難しいと思うんですよ。それは誰もがどんな形であれ経験している事で、めぐり合った相手によって大きく価値観が変わったり、モノの見方が変わったりする。人の数だけ、組み合わせの数だけ感覚が異なるわけですから。 だから前々からやってみたかったのだけれど、なかなか方法が見つからなかったんですよ。でもね、最近思うのは方法なんてないし(計算の方法はあるんだろうけど)、おもいっきりぶつけるしかないんだと。・・・郡司のように。そして男からは永遠に理解出来ぬ女性の塊みたいな安奈を追っかけてみたいなと。まあ、女性を理解出来る男なんて気持ち悪いし、理解して恋愛なんかしたってつまらんでしょうけどね。
本作品中で、監督のお気に入りのシーン、見所、
また苦労したシーンを教えてください。
一番楽しかったのは武内享氏が出ていたホテルのシーン。僕は物心ついた時から所謂、ロックンロール&50’Sに陶酔していたんですよ。エルビスプレスリーやらバディーホリーやら。それである時、チェッカーズのアマチュア時代のテープを聴いたことがあって、それがモロそんなバンドでロックンロールやドゥーワップをやってて、あまりにもかっこよくてチェッカーズにもハマったんですよ。僕が好きな曲の中に「おまえが嫌いだ」ってのがあってそれが享氏の作曲だったんです。テーマが似ていた事もあって題名に使わせてもらったんですが、本人にも出てもらう事が出来て、そのシーンを撮ってた時はそりゃあ幸せでしたよ。・・・ホテルの都合でとんでもなく慌しい撮影でしたけど。
大変だったのはラストシーン。ロケハンでフィルムコミッションさんの大きな協力で最高のロケ地が使用できたんですが、一日の昼間に撮りあげないといけないのと、子役の女の子が寒さとオヤジに号泣でなかなかスムーズにいかなかったくらいですね。
主演の松田賢二さんとはたくさんの作品を一緒にとられていますが、
本作品での松田さんの魅力的な点を教えてください。
今まで一緒に創り過ぎた面もあったので(笑)そろそろ集大成を、と思って今までとは違う、人間・松田賢二を撮りたいとの思いが強かったです。かなり苦しんだり考えたりしていましたが、ラストで想像に限りなく近いブサイクな郡司になってくれています。そこに今までやってきた答えが出ていて、
「ナニ!?この男!」って思って観てる女性に、身勝手な郡司の為に泣いてもらいたい、って思いを具体化してくれています。撮影前の合言葉が「これ創って死んでやろうぜ」でしたね(笑)!
最後に、この作品を見られる視聴者の方に一言お願いします。
郡司はブサイクです。ありのままを相手にぶつける彼は自分勝手で安奈を傷つけるかもしれません。しかし、環境も思想も違う別の人間同士が分かり合うには、全てをぶつけるしかありません。それによってぶっ壊れるかもしれません。でも、彼は「生かされて」はいない。「生きてる」。ぶっ壊れても「生きる」か、クールに「生かされるか」。僕はぶっ壊しても、ぶっ壊されても「生きてる」方がいい。
加納周典監督、ありがとうございました!!
加納
周典プロフィール
名古屋市出身。専門学校桑沢デザイン卒業後、劇団俳優座第6期研究生に入団。自主退団後、自作自演で数本の舞台を製作する。その後、自主制作映画に移行し「wolfish」が第3回インディーズムービーフェスティバルでグランプリを受賞。2002年、劇場デビュー作品となった「RODEO DRIVE」を監督。2003年6月にテアトル池袋にてレイトロードショー公開された。その他、2004年「Bridge〜この橋の向こうに〜」などがある。
NETCINEMA.TVでは、「おまえが嫌いだ」でも起用している松田賢二と高野八誠が主演の「STRAY SHEEP」も担当している
『おまえが嫌いだ』
監督・脚本・撮影・編集:加納 周典
出演:松田 賢二 村井 美樹 武内 享【特別出演】
梅宮 哲 小出 ミカ 広澤 草
暑苦しくブサイクな究極の純愛
郡司は女に会うために塀(刑務所)を越え、街に出た。街角で女が好きな花束を手に入れ、女の住処へ向かう。女は郡司を捨て、郡司の犬猿の仲の男(京平)と暮らしていた。郡司は女を取り戻そうと試みるが、女にはぐらかされてしまう。郡司は女をオーディションに送り届けるために京平の車を拝借して郊外へ向かう。到着したのは豪華なホテル。プロデューサーと寝るという女を引きとめようとするが、女は「夢のため」と言い残し、ホテルに消えていく。車の中でひとり怒りを爆発させている郡司は車内から京平の拳銃を見つける・・・。拳銃を手にした郡司はホテルへ入っていくのだが・・・。

