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監督インタビュー・アーカイブ
千葉誠治監督インタビュー

撮影当時の監督のインタビューを掲載する【監督インタビュー・アーカイブ】。
5月から配信するや話題沸騰の『GRAND CIRCLE』を担当された
”千葉誠治監督”編をお届けします!
作品のテーマや演出など、なかなか聞くことの出来ない監督の“こだわり”を伺いました!
ネタバレまで飛び出した、これを読めば“GRAND CIRCLEマスター”になれること
間違いなし?!の超ロングインタビューをお楽しみください!!

本作品はネットシネマには異色のメッセージ性のある作品かと思います。
監督が本作品で伝えたいテーマとは何でしょうか?

やりたいことはいっぱいあったのですが、この作品のテーマは「人の二面性」でした。各登場人物が2シーンにまたがって出てきます。最初のシーンで一つの顔を見せ、次のシーンではまた別の顔を見せるという構成を意図的にとっています。それは、人は様々な顔を持っていて、相手によって違う顔を見せる、ということを意味しています。人間には「良いところ」と「悪いところ」が必ずあると思うんですね。また、その人の「良いところ」と「悪いところ」自体も、見る人によって変わってくる、というのが面白いんです。全員に好かれる人はいないし、全員に嫌われる人もいない。その二面性をエンタテインメントにのせていけたら、と思い今回の作品を作りました。悠治(松田賢二)は冒頭、女性を殴ったりして、いやな感じですが、彼は彼の考えがあり、自分の流儀においては正当なことをしているわけです。

たくさんの俳優さんが出演されて、それぞれ個別のストーリーを
おもちのようですが、「主役」という方はいらっしゃるのでしょうか?
(注:以下の答えはネタバレとなります)

各出演者が2シーンに渡って出てきているので、誰が主役かわかりにくいと思いますが、基本的には、作品の冒頭とラストシーンにでてくる悠治が主人公です。冒頭のシーンで悠治が正面からやってきて、ラストシーンでは後姿で去ってゆく。悠治で作品の最初と最後がメビウスの輪のようにつながり、物語を締めています。・・・ただ、現実社会において、僕の世界では僕が主人公のように、この映画においては各俳優がそれぞれの世界で主人公であり、その人独自の観点をもっています。そういう意味で全員主人公になりえるのですが、便宜上、悠治を主人公と設定しています。

5話ということを意識されて作られたんですか?
もともと『インターネットで5話構成』、という話をいただいていたので、長年温めていたこの企画がふさわしいんじゃないか、と思いました。NETCINEMAを作ったことのなかった僕は、インターネットでは実験的なことをしたかった。この作品自体、バイオレンスのような視覚的刺激はないものの、他の普通の映画とは違った風変わりなテーマがあるので、ネットユーザーにどう受け取られるのか、とても興味があります。テーマをわかっていただいても楽しめるし、例えそのテーマに気づいてもらえなくても、「作品のアタマとケツがつながってるじゃん」ということだけでも楽しんでいただけると思います。通常、日本の“社会派”と呼ばれる映画は何か大きな事件がメインになっていますが、この作品は日常の中に埋没しがちな、些細な事件を描いた僕なりの社会派作品です。それを10代から60代までという広い年齢構成の俳優とともに撮ってみました。

各俳優さんは何人くらい登場されるのですか?
また、悠治との関係性はどうなのでしょうか?

この作品の成立する条件は、ラストで悠治が変化している、あるいは、別の側面を見せている事実がすんなりユーザーの方に受け入れられてもらえる、ということだと思います。そのため、彼のほかに6人の主な登場人物がいるわけです。普通のストーリーは、主人公がいろいろな人に出会い変化してゆきますが、主人公がいろいろな人々に出会わないで、主人公に対して変化をもたらせる実験的な手法を用いてみました。

監督のお気に入りのシーンはどのシーンでしょうか?
最後のシーン、悠治が「世の中には2種類の人間がいる・・・」と作品のテーマである二面性を語っているところが好きです。また、この作品のサブテーマとなっているのが小道具として登場する「タバコ」。タバコにも二面性があり、タバコは人の最大の楽しみともなる反面、体に害を及ぼします。雪夫(樋浦勉)が小道具であるタバコの二面性について語り、悠治が人の二面性について語る最後のところが僕のやりたかったシーンで、好きなシーンとなっています。

グランドサークルっていうタイトルの意味はどのような意味でしょうか?
アメリカ西部にあるグランドキャニオンなど国立公園が数多く密集した地帯を指しています。このグランドサークルという、アメリカ随一の景観を誇る国立公園地帯よりも、普通の人間の生活がおりなすサークル、つまり人間社会はサークルで、円のように人が繋がっている、そういう事実のほうがはるかに興味深い、という意味をこめてこのタイトルをつけています。

こういう方にぜひ見てほしい!という方はいらっしゃいますか?
若い方に見ていただきたいですね。こんな不思議な映画もある、ということを知ってもらいたい。会話劇で、特に大きな何かが起こるわけではないので、テレビのような起承転結のあるわかりやすい話に比べたら、ずいぶんと違うイメージを受けると思います。ネットで無料なので、気軽に見てもらい、「何?この話」でも「目からうろこ」でもいいので、皆さんの心に少しでもひっかかれば嬉しいです。この作をどうとらえるか、人それぞれだと思います。謎(実は、登場人物たち全員が語っていて画面に現れていない人物がいる、など)や変なところが多いので、その分ユーザーの方のご意見も別れると思います。その意見を聞かせていただきたいですね!

千葉誠治監督、ありがとうございました!!

 

千葉誠治プロフィール
1964年横浜市出身。1990年にアメリカへ留学し、ロスアンゼルス・シティカレッジにて演出・脚本・編集などのプロダクション全般の単位を修得し帰国。その後、自らの製作による自主映画「TWO OF US」(1993)の演出も手がけた後、数多くの映像製作に携わる。現在は監督を始めとしてプロデューサー、脚本家としても活躍。

 

『GRAND CIRCLE』
監督・脚本・編集:千葉 誠治
出演:松田 賢二 紺野 千春 木下 ほうか
早瀬 英里奈 小木 茂光 一條 俊 樋浦 勉

「ダメな奴」と「そうでない奴」あなたはどちらですか?人間の2面性を浮き彫りにする異色の社会派映画

携帯電話で電話をしている悠治。有香が、自分の指定した格好をしているかを確かめるためだ…。「悠治の好きなタイプの女になる!」と約束して付き合ってもらうことになった有香は、恋人とはいえ立場が弱い。殴られてもこらえ、まるっきり悠治のいいなりになっている。デートのあと、お嬢様の有香は運転手の行宏に送ってもらうため車に乗り込んだ。そこで、さっきとは態度は一変し、急に行宏を攻め始める有香…。

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